2017翻訳祭(2)こころと、からだ
翻訳祭はスピードと即決力が試される。次のセッションは何にしようかな~、なんてのんきなことを考えていると、人のうねりに巻きこまれてしまう。たとえ希望するセッションに集まる人の数がそれほど多くなくても、廊下や階段を行きかう人たちがうねりを形成している。見よ、人が波のようだ。
お昼休みは1時間半。翻訳者仲間とのネットワーク作りに、営業にご活用ください――と、事務局が粋な計らいをしてくださっているのに、わたしは近くのプロントでパスタをかっこんでいた。人気のセッションはそれこそ開門と同時に飛び込まないと席が確保できない。早飯こそ奥義なんです。
そのときお仲間に入れてくださった中に、以前からお話ししたかった出版翻訳者さんがいらしたので、ネットワーク作りは成功したともいえる(えへん)。
前置きが長い。村井理子さんと伊皿子りり子さんのセッションについて書かなければ。
村井さんはもともと書くことがお好きで、会社員時代からメルマガで身の回りのできごとを発信されていた(会員数は千人だったとか!)。お友だちとウェブサイトを共同運営し、ジョージ・ブッシュJr.のおもしろエピソードが雑誌『ダカーポ』編集者さんの目に留まり、『ブッシュ妄言録』が世に出る。その後訳書を出し続け、『ゼロからトースターを作ってみた(結果)』(文庫版で「結果」がタイトルについた)でブレイク。そして今年『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』が3万部のヒットとなった。
私生活では2児の母、大型犬の飼い主として毎日をエンジョイされている。編集者の伊皿子さんいわく、「めっちゃポジティブ」な村井さん。翻訳で大切なのは健康なこころとからだだとおっしゃる。この点については次に拝聴した井口耕二さんも同様のお話をされていた。立てば陰鬱座れば根暗、歩く姿はウォーキングデッドのようなわたしは考えた。
もうこれからは、嫌な仕事は断ろう。悲劇のヒロインぶるのはよそう。
村井さんだって、井口さんだって、理不尽な状況に落ち込んだり怒ったりするだろう。でも、おふたりはあっという間に立ち直る。わたしみたいにウジウジ引きずったりしない。翻訳を磨き、日本語を磨くその前に、わたしはこころとからだを大切にすることにした。
今年1年、ハードワークのあまりキーボードを2台潰したとおっしゃる村井さんに、東プレのRealforceをおすすめしたい。キーボードには使う人の数だけ好き嫌いがあるものだが、翻訳者の間で東プレは大人気。丈夫で長持ち、キータッチも優れている。ちなみにわたしの愛機はREALFORCE87U-55。「ハードパンチャーには最適な商品です」(原文ママ)だそうです。
続きます。
「続きます」と書いてはいるけど文体に統一感がないのは笑って許してください。
追記:上でご紹介したキーボード配列は英語です。ご自分の環境に合ったキーボードを選んでくださいね!
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