いろいろありまして

とにかくどこから書いていいのかわかりません。

ペインスケール、発売中です。


2月28日、東京創元社さんから発売されました『ペインスケール』、おかげさまで順調に売上を伸ばしているようです(たぶん)。いろいろな書店さんで平積み展開されていてうれしいかぎり。読書メーターの反応もよく、ほんと、訳してよかったと心から思っています。

3月17日に参加した翻訳ミステリー西東京読書会の二次会の席で、ほんとうに自然な形で、参加者のおひとりから「いま読んでる『ペインスケール』、いいですよ」というお褒めをいただき(その方、まさかご自分の斜め前に訳者が座っているとは夢にも思っていなかったそうです)、わたしも驚きで心臓が止まるかと思いました。

心臓といえば……

オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月、発売中です。


1月末に心臓に不調を覚えて入院された村井理子さんからFacebookでメッセージをいただき、急遽後半8章を共訳することになりました。『Webでも考える人』ではなんかものすごい感動秘話みたいに取り上げられていて恥ずかしかったりするのですが、あのやり取りはほんとうにありました。

目の前、いや、Wi-Fiの電波でつながっている相手から「心不全です」と言われて、手伝ってほしいというお願いを断れるわけがありません。ちょうど『ペインスケール』のゲラも校了していましたし、おつきあいのある翻訳会社には事情をお話しして、3月半ばまでお休みをいただきました。欧州某国の担当者には書名までリークしてしまいました(すみません)。そしたら彼女たち、Netflixでドラマを観ている! すごい! 頑張ってこい! と、大声援で送り出してくれました。

実をいうと、少し前、わたしも体調を崩しました。ドクターストップがかかり、そのとき手がけていた本の仕上げを編集者さんと校閲者さんにお願いすることになったのです。体調がボロボロだったのが訳文にも出ていたようで、かなりのご迷惑をおかけしました。そのときの編集者さん、校閲者さんに直接恩返しはできないけど、今回、理子さんのお手伝いをすることで“恩送り”ができるのではないかと考えました。そのためにも今回は万全の体調で臨もう、以前みたいに睡眠を犠牲にするのだけはよそうと心に決めました。作業中はお酒も断ちました(えへん)。

その後も滋賀と東京でメッセージをやり取りしながら作業を進めたのですが、一度、イベントを見に行く前にちょっくら松牛でも……と腹ごしらえしていたところに理子さんからメッセージが飛び込んできました。ちょうど東京に低温注意報が出るようなときで、話に夢中になっているうちに、牛丼(ミニサイズですからね!)が冷めていく……。

「牛丼食べてんねん」

「何でwww」

「イベント会場のオーナーがインフルエンザで倒れて、お食事が出ないらしいから腹ごしらえ」

その後、村井理子ファミリーの間でわたしは「牛丼の女」と認識されるようになりました。

軽快な語り口とリリカルでセンチメンタルな味わいが同居する理子さんの文体にどこまで合わせられるか、そして、2月末までに初稿が上がるか。

ぶっちゃけ大変だったことは否定しませんが、とーっても楽しいお仕事でした。ふだんなら使わないような言い回しだけど、理子さんならきっと許してくれると、ちょっと冒険しました。たとえば若い女性の一人称に「ウチ」を使うとか。「ぶっちゃけ」も使いましたね。「クソ」が多いのは、当時はまっていた『アンナチュラル』と『ポプテピピック』の影響でしょう。

こちらも絶賛平積み展開中。売り切れの書店さんもあるようです。ありがたいことです。


半分、赤い。

今ここ。今年の花粉症、わたし限定ですが、鼻炎の症状がひとつも出ず、全身の皮膚に湿疹が出ました。皮膚科では乾燥性皮膚炎と診断されたものの、これが治らない。湿疹がおさまるとイボみたいなのがぼっこりと残り、全身が“半分、赤い”のです。最終兵器としてドラッグストアで購入したストロング・ステロイド軟膏を思い切って塗り塗りしたらよくなりだしました。最初からこれ塗ってれば早く治ったのかな。皮膚科のお見立ては何だったのかな。

半分、赤いといえば、元ネタの『半分、青い』に、みうらじゅん形態のトヨエツが出ているそうで、ファンとしてはチェックせねばと思う今日このごろです。

で、欧州某国の実務翻訳のお仕事に戻り、半分、赤いわたしはステロイド軟膏の効き目が減じないよう、お酒をまた断っております。順調に痩せております(当社比)。

Gravity_Heaven

Twitter ID:Gravity_Heavenこと、翻訳者安達眞弓のオフィシャルサイト。 本と音楽と映画とドラマと なんだかんだ。